来日中の英歌手ポール・マッカートニー(71)が14日、福岡市の福岡国際センターを訪れ、大相撲九州場所5日目を観戦した。大相撲観戦は1993年(平5)の九州場所以来約20年ぶりで、十両取組中の午後3時30分ごろ、ナンシー夫人(53)を伴って会場入りし、升席に座った。長い足を折って慣れないあぐらをかきながら、横綱土俵入り、中入り後の取組、最後の弓取り式まで約2時間半、熱心に見入った。

 ポールは終始、リラックスしていた。笑顔で手を振ったり、握手に応じたり、夫人にアイスを食べさせる姿も見られた。取組が終わる度に勝った力士を拍手で祝福。結びの一番で横綱白鵬が勝利すると、両手を大きく広げ、天を仰いでいた。説明役に付いた玉ノ井親方(元大関栃東)によると、懸賞旗に興味を示し、「あれは何?

 勝った人しか懸賞金はもらえないの」「強い人はどの辺りで登場しますか」などと質問していたという。「とてもエキサイトしていました。楽しんで帰ってもらって良かった」(玉ノ井親方)。

 席を立つ際は、約3500人の観客から拍手とともに「ポール」「ポール」と何度もポールコールを送られた。携帯電話で撮影もされたが、嫌がることもなく、時折、ポーズも披露。車に乗り込む際には「良かった。楽しかった」と満足顔でコメントを残した。

 来日前から相撲観戦は楽しみにしており、インタビューでも「相撲に夢中なんだ、格式のあるところが好き」「生まれ変わったら力士になりたい」などと話していた。英気を養ったポールは、今日15日、福岡ヤフオク!ドームのステージに立つ。【松本久】