第1回NHK紅白歌合戦でトップバッターを務めた歌手菅原都々子(86)が28日、沖縄・嘉手納町の「うたの日コンサート」に初参加した。

 歌手生活78年目で、今年限りの引退を表明している菅原にとって初の野外ライブ。スコールの後、晴れわたった空の下、約1万人の「つづちゃん」コールで登場。「たくさんのお客さまに温かく迎えていただいて胸がいっぱいです」。時折、目を潤ませながら自慢のビブラートを響かせ、「月がとっても青いから」など2曲を披露した。

 同コンサートは3人組バンド、BEGINの呼び掛けで「歌えることに感謝する集い」として01年にスタート。「憧れの先輩」と菅原を尊敬する比嘉栄昇(45)のオファーに「歌に感謝しなきゃいけないのはだれよりも私だから」と快諾した。

 沖縄には、日本一早い桜の開花を楽しむために亡夫永松英吉さん(享年78)と訪れていた。今年が二十三回忌で「感慨深いです」。歌い終えると、「場違いではないかと最初は不安で緊張しましたが、あらためて歌の素晴らしさを感じました」と充実の笑顔を見せた。【松本久】