俳優佐藤健(24)主演で大ヒットした映画「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」の続編が製作されることが2日、分かった。2部作で、来年夏に連続公開される。原作コミックの中でも人気が高いエピソードを題材に、前編「京都大火編」と後編「伝説の最期編」が製作され、映画シリーズはこれで完結する。前作に続いて大友啓史監督(47)がメガホンをとる。製作・配給のワーナー・ブラザースは2作で興行収入100億円超えを目指している。

 映画「るろうに剣心」は昨年8月に公開され、興行収入30億円の大ヒットを記録した。動乱期の幕末を舞台に、かつて暗殺者だった剣の達人の活躍を描いた。ハリウッドで映画を学んだ経験を持つ大友監督の独自性ある演出や佐藤の存在感などが話題になった。映画ファンの間で続編製作を熱望する声も上がっていた。

 待望の続編は前後編を一挙に撮影して連続公開する。小岩井宏悦プロデューサーは、ヒットを受けた続編だけに「思い切って勝負する」といい「原作で1番人気の9~17巻を描くが、1作品では入りきらない」と前後編で「続編」とする手法を選択したという。

 和月伸宏氏原作のコミックで最も人気が高いといわれる「京都編」をベースにする。前作は主人公の緋村剣心と悪の親玉の武田観柳の戦いがメーンで描かれたが今回は日本の未来をかけた戦いを描く。このため関東全域と京都を中心に国内十数カ所でのロケ撮影を行う予定だ。

 前作に続いて主演する佐藤の気合も十二分だ。撮影開始7月1日の約3カ月前の4月中旬からアクション撮影と初挑戦となる乗馬の訓練を始めた。「アクションは前作なんてもんじゃない。前作は出来なかったことがたくさんある。やるべきことが明確で前回以上の練習をしています」。殺陣の稽古では取り囲んだ4人を一気に切り捨て組み伏せてみせた。

 前作では「格好悪かったら僕の役者生命は終わり」と覚悟も口にした。今回も12月の撮影終了までこの作品1本に集中するスケジュールを組んでいる。「代表作だと思っています。2本作れるのはありがたいこと」。大友監督は「今まで見たことのないようなアクションを作りつつ、剣心が2度と人は切らないとした『殺さずの誓い』と葛藤しながら強大な敵に向かう心情を丁寧に描く。『もう1回』と思っても出来ない映画にする」。佐藤も「やり残すことがないように」と覚悟を決めている。