水谷豊(62)が、主演映画「王妃の館」(橋本一監督、4月25日公開)で大胆にイメージチェンジする。劇場予告編でも未公開の主人公の画像を本紙が独占入手した。コメディー作品らしく“笑撃的”に変身。白髪交じりのおかっぱ頭で花柄のシャツとジャケットを羽織りウインクしている。演じたのは天才小説家の北白川右京。テレビ朝日系「相棒」で同じ名前の杉下右京を演じているが、ダンディーな印象を大きく覆すルックスに仕上がっている。

 実はこの姿をデザインしたのは、水谷自身だった。数多くの役柄を演じてきたが、自分でペンを握り、デザインを考案したのは初めて。映画原作は作家浅田次郎氏(63)の同名小説。水谷は「原作を読んだ時、ビジュアルが降りてきました。つかみどころのないキャラクターを、どんなふうに作り込もうかと皆で打ち合わせを重ねていた時、自分の中に降りてきたビジュアルをサラサラと紙に描いてみました」。衣装デザイナーもデザイン画を見て「ピンときた」と布選びからこだわって完成させた。浅田氏は「最初は驚きましたが、小説家はどこか社会性を欠いているのは確か。どんな格好をしていても不思議じゃないから、なるほどという感じ」と話す。

 映画の撮影はパリで行われた。水谷は「あの格好で街を歩いていたら、たくさんのフランス人に声を掛けられました。コスチュームもヘアスタイルも普段『相棒』を見てくださっている方は、びっくりするかもしれませんが、僕はとても気に入っています。普段も着たいほど」と話している。

 ◆映画「王妃の館」

 作家の北白川右京は取材旅行でパリに。王妃の館と呼ばれるホテルのスイートルームに宿泊するツアーは1泊150万~200万円。ところが倒産寸前の旅行会社が、右京らが観光で部屋を空ける時間帯に、格安ツアーで集めた別の客を過ごさせる二重売りをしていた。癖のある客がそろい、計画は思わぬ方向へ…。