トランプ氏が「就任初日に離脱」を表明し、発効の行方が不透明になったTPP承認案と関連法案は、10日の衆院本会議で可決された。野党は、トランプ氏の動向が不透明な中での採決は、「世界に恥をさらす」として反対したが、与党が採決を強行した。

 与党は今後、国会会期を延長し、参院審議を経て法案を成立させる方針だが、共同歩調だった米国の方針は一転。共和党の重鎮、マコネル上院院内総務は、大統領選でTPP脱退を掲げたトランプ氏の勝利に伴い、オバマ政権が目指す年内の議会承認を見送る考えを表明。TPPの発効は、一段と困難になった。

 ただ、日本がトランプ氏の姿勢に同調すればTPP自体が白紙に戻り、日本の通商戦略が大幅な修正を迫られ、粛々と法案審議を進めるしかない事情もある。

 一方、本会議では、「ダブル失言」の山本有二農相に対する不信任決議案を野党4党が提出したが、否決された。