2020年東京五輪・パラリンピックの会場、経費問題を話し合う国際オリンピック委員会(IOC)、大会組織委員会、東京都、政府の4者によるトップ級会合が21日、都内で行われ、バレーボール会場として有明アリーナを新設することが承認され、大会総経費が1兆6000億~1兆8000億円になることが報告された。経費の役割分担について年明けに協議を始めることとなり、組織委の森喜朗会長(79)と小池百合子都知事(64)が早速、火花を散らした。

 会場見直し問題が3会場とも従来計画で落ち着いたが、今度は経費の役割分担で「森VS小池」の第2ラウンドが始まった。

 組織委は民間スポンサーからの収入が5000億円にとどまるため、最大で1兆3000億円を東京都、国、五輪開催地の地方自治体に負担してもらう意向だ。森氏は「国や都に押しつけているという報道があるが、五輪は都が開催を希望してやりたいとなって、決定した経緯がある。あくまでも主催は東京都だ」と、小池氏をけん制した。

 舛添要一前知事の時代に、都の財政負担を軽減するため千葉、神奈川、埼玉などに複数の開催会場を移転した経緯がある。森氏はこれを都から地方へ負担をお願いした事案と捉えており、今後協議へ「都がまずは何をしていくかだ」と話し、都が応分の負担をしていくべきとの考えを示した。

 受けて立つ小池氏は「組織委の増収のご努力など、さまざまな観点が考えられる。(分担の)線引きが変わってくることもある」と逆けん制。さらに「どのような分担にしていくのか、会場を担っていただく近隣の県はいわば準開催都市」と、他県にも負担の義務があるとの主張を展開した。小池氏が設置した都政改革本部は9月、都有地の仮設は都が負担し、都外の仮設は立地自治体と国の補助で建てるべきとの提案をしていた。

 招致ファイルでは仮設の整備は全て組織委が負担することとなっており、地方自治体からの反発は必至。組織委幹部は「開催都市として、まず東京都が何を考えているかを相談したい」と話した。組織委は開催都市である都の負担を優先的に議論すべきとの立場で、地方自治体の批判をかわす狙いだ。「都が他県の仮設負担をすることがあるのか」との問いに同幹部は「小池知事に聞いてください」と、押し付け合いの様相を呈してきた。【中山知子、田口潤、三須一紀】