再審制度の見直しに向けた刑事訴訟法改正案をめぐり、事前審査の場で政府案への異論や批判が相次いでいる自民党は7日、法務部会・司法制度調査会合同会議を党本部で開く。弁護士資格を持つ稲田朋美元防衛相らは、裁判の長期化の一因とされる検察の不服申し立て(抗告)の全面禁止を求めており、「稲田の乱」と呼ばれる構図に。先月15日の前回会合では、法務省から示された修正案の了承には至らなかった。法務省はこの日の会合で、続出した異論を踏まえた上での再修正案を示す見通しだが、議員側との意見の隔たりは大きく、最大のヤマ場となるこの日の会合で結論が導かれるのか、不透明な状況だ。

この議論では、検察抗告の是非が最大の焦点。全面禁止を求める自民党内の異論を踏まえ、法務省の修正案では、抗告後の審理期間を1年以内とすることなどが盛り込まれたが全面禁止には至っておらず、運用上の制限にとどまった。そのため、先月15日の会合では冒頭から「自民党は法務省のためにあるんじゃないんだぞ。ふざけんな!」「不誠実なんだよ!」など議員の怒号が飛び交い、4時間を超える議論でも結論は出なかった。この時は最終的に、司法制度調査会長の鈴木馨祐前法相が、修正案のさらなる修正を含めた検討が可能か法務省に求め、当初予定された先月20日の会合は延期され、水面下の調整が続いてきた。

出席者によると、法務省の修正案には9項目の修正が「付則」に盛り込まれる内容だったが、賛意を示したのは3人ほどで、多くの出席者があらためて、検察抗告の全面禁止の明記を求めたという。会合後、鈴木宗男参院議員は「修正案は出すに値しない」と指摘し、稲田氏は「今回出されたものは、議論前につくられたものとまったく同じで、信頼関係を損なうものだった」とした上で、「刑事司法への信頼を回復するためにも(検察)抗告は禁止すべきだ。自分も含めて人は誤るし、裁判所だって間違うこともある。検察も同じ。そこを認めて反省しないと、いい法律はできないと思う」と述べ、検察抗告の禁止の明記を強く訴えた。

今回の改正案は、本会議や委員会の質疑に高市早苗首相が出席する「重要広範議案」の1つに指定されているが、当初政府が目指した4月上旬の国会提出からは1カ月近く遅れている。

高市早苗首相は4日、外遊先で報道陣の取材に応じた際、「与党内審査の議論も踏まえ、できる限り速やかに法案を提出するよう準備を進めたい」と述べた。7日に法務省から出される再修正案の内容とともに自民党内の対応が、「重要法案」の大きなかぎを握る。