東京都の小池百合子知事が13日、都庁で定例会見を行い、2020年東京五輪のゴルフ会場である霞ケ関CC(埼玉県川越市)について、「女性のプレーを認めるべきだ」と苦言を呈した。同ゴルフ場は女性が正会員になれず、日曜日にはプレーもできない。

 4日に大会組織委員会の森喜朗会長(79)がゴルフ会場問題について言及して以来、小池氏がこの問題について初めて発言した。

 小池氏は「21世紀に女性が正会員になれないというのは非常に違和感がある」と述べ、「女性会員なり、女性のプレーを認めるべきで、開かれた会場にすべきだと思う」と断じた。

 森氏ら組織委との会議でも以前からゴルフ会場は話題に上っていたという。森氏は選手村からの距離を懸念し、小池氏は「会員制だからレガシーにならない。閉ざされている」と述べていたことを明かした。国際オリンピック委員会(IOC)役員とゴルフ会場の話題になった際も、女性のプレーが制限されていることを話すと、非常に驚いていたことも紹介した。

 森氏は4日、記者団に選手村との距離が遠く、選手輸送問題が解決しない場合に限り、他会場の検討も示唆していた。霞ケ関CCが会員制のため、営業補償などが発生することも懸念材料に挙げていた。その流れから、かねて若洲ゴルフリンクス(江東区)への変更を主張してきた日本ゴルフ改革会議が11日、小池氏宛てに要望書を提出。霞ケ関CCでは五輪後に市民が利用できずレガシーにならない、女性差別が五輪憲章にそぐわない、選手村から遠方のため経費が増大するなどと主張した。

 小池氏は会見で「今の段階で何が出来るのかというと厳しいものがある」と変更の難しさを示しながらも「組織委で対処される問題だ」と指摘した。【三須一紀】

 ◆霞ケ関CC(カンツリー倶楽部) 埼玉県高麗郡霞ケ関村(現川越市)で1929年(昭4)オープン。同県で最初のゴルフ場。改造工事が32年に終わり、日本初の36ホールに拡充。57年に国際大会(カナダカップ)を日本初開催。1万3869ヤード、パー145。