将棋の史上最年少プロとして昨年12月にデビューし、今年6月まで29連勝と連勝新記録を達成した藤井聡太四段(15)が、3日午前10時から生放送された第67回NHK杯トーナメント2回戦で、森内俊之九段(46)を下した。後手番ながら積極的に駒を前に出して攻め続け、先手陣を攻略した。

 藤井四段が名人獲得経験者から勝ち星を挙げるのは、昨年12月24日のデビュー戦となった竜王戦6組の加藤一二三戦以来。前日は加古川青流戦準々決勝で井出隼平四段に敗れ、公式戦初の連敗を喫した。3連敗は阻止した。

 NHKトーナメントが生放送するのは、第57回決勝(佐藤康光対鈴木大介)以来のこと。藤井四段の1回戦となった千田翔太六段戦は5月14日に放送された。通常、勝敗は放送終了まで公表されないが、当時13連勝目がかかっていたため、特例として収録日の4月17日に結果を公表した。ほかのテレビ棋戦でも7月27日に対局が行われた銀河戦の平藤真吾七段戦も、その日に結果が出された。

 将棋界で最も注目を集める新人に対する注目度の高さと、日本将棋連盟の専務理事を務める森内九段が快諾したこともあり、NHKでは異例の生放送に踏み切った。

 次回3回戦で藤井は、今年の名人戦挑戦者である稲葉陽八段と対戦する。こちらが生放送されるかどうかは現時点で未定。