前川喜平前事務次官が名古屋市立中の授業で講演した内容の報告を市教育委員会に求める前に、自民党文教族の国会議員2人が、文科省に前川氏が招かれた経緯などを複数回、照会していた問題で、これまで取材に応じてこなかった池田佳隆衆院議員が22日、初めて報道陣の前で口を開いた。しかし、質疑には応じなかった。

 池田氏は衆院本会議後、「今回問題となった授業が、法令に準拠した授業だったかどうか」とした上で「地元の方のご懸念があれば、その声を国に届けることは当然大切な仕事であると常々考えてきた。今回、その信念に従い、問い合わせた次第だ」と述べ、自身の行動は問題なかったとの認識を示した。

 その上で、「文科省から感想を求められたので、2点感想を述べた。それがすべてだ」と述べた。その後、取材を打ち切り報道陣の問いかけを振り切った。

 池田氏は、自民党文科部会の部会長代理を務め、文科省の質問状を事前に見て、同省幹部に意見を伝えていた。文科省はこの意見を「参考」に、質問内容を2カ所修正していたことが分かっているが、教育現場への「圧力」ではないかとして、問題になっている。