愛媛県今治市の松山刑務所大井造船作業場から、受刑者の平尾龍磨容疑者(27)が脱走した事件は、22日で発生から2週間が経過した。8日夜から潜伏しているとみられる広島県尾道市の向島(むかいしま)では、これまで延べ約1万人が捜索を行ったが、容疑者は見つからず。島内では13日を最後に盗難被害もなく、有力な情報は集まっていない。住民には不安やストレスがたまる一方、「本当にまだ島にいるのか」と疑う声も上がってきている。

 向島では日が暮れると、明かりが少ないため、数メートル先も見えなくなる。島中心部のコンビニや飲食店などが集まる場所以外には、街灯はほとんどない。日没後の捜索は困難で、深い森の中から容疑者を見つけるのは、ほぼ不可能な状況だ。市向島支所によると、防犯カメラを設置している家や施設は少なく、容疑者との遭遇を恐れて、昼夜を問わず、外出を控える住民もいるという。