自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長は23日夜、地元の神奈川県横須賀市を舞台に、同市出身の監督、俳優が集い、地元企業、市民の全面バックアップして製作された映画「スカブロ」(矢城潤一監督)の都内でのPRイベントに参加し、ヨコスカ愛を打ち明けた。

 同作品は、俳優窪塚俊介と実弟のRUEED演じる兄弟を中心にした人間ドラマで、進次郎氏の兄、俳優小泉孝太郎も出演。「兄弟」が1つのキーワードになっており、進次郎氏自身も本人役で1シーン出演。兄と“映画初共演”を果たす形にもなった。

 昨年の衆院選の際に「戦闘服」に位置づけ、映画にも登場するグリーンのスカジャンを着て登場した進次郎氏は、「映画を見て、横須賀は、こんなにきれいなところだったんだと。僕もヨコスカ愛が強いが、映画を見て、ますます横須賀が好きになりました」。映画の中で好きなシーンをいくつか挙げながら、母親が息子のスカジャンを羽織る場面に言及して、「子どものスカジャンを、親世代、おじいちゃん、おばあちゃんが羽織っていく。こういうシーンが実際に生まれてほしいし、こういう横須賀であってほしい」と訴えた。

 兄孝太郎の演技については、「小泉孝太郎ってすごいと思った。(俳優に)進む道は間違っていなかった」と再評価。「政治家は、自分の中から生まれた言葉を発信する。(一方で)俳優は与えられた台本のセリフを、まるで自分から生まれたように話す。それは僕は不得意なので」という。

 製作のきっかけになったのは2013年、同市が人口流出全国ワースト1とする統計が発表されたこと。横須賀の魅力を発信しようと声が市民から上がり、地元在住の矢城監督が中心になって製作を進めた。昨年、横須賀で先行上映、約7000人を動員した。進次郎氏も以前、「横浜の横須賀」といわれて心外だったことがあると自身の経験を明かし、「横浜と横須賀は違うんですと申し上げた。これは、もっと横須賀を盛り上げないといけない」と心に決めたとも話した。

 タイトルは横須賀の「スカ」と、兄弟を意味する「ブラザー」のスラングを合わせたもの。ロケもほとんど横須賀市内で行われ、市内の名所も数々登場する。 東京・新宿の「新宿K,s cinema」で来月3日まで上映されており、今後大阪や名古屋でも順次公開される。