任期満了に伴う埼玉県知事選は25日、投開票され、立憲民主党など4野党が支援した元参院議員の大野元裕氏(55)が、自民、公明両党推薦で元プロ野球選手のスポーツライター青島健太氏(61)ら4人を破り、初当選した。

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大野氏と青島氏の事実上の一騎打ち。当初は青島氏の優勢が伝えられたが接戦となり、巻き返せなかった。プロ野球出身の知事に届かなかった青島氏は、さいたま市の事務所で「ひとえに私の力不足」と、敗戦の弁を述べた。

県の自民党と対立を続けた上田清司知事の退任で、安倍政権や自民党は16年ぶりの自民系知事誕生を目指し、青島氏を総力戦で応援しただけに、敗北は想定外で大打撃だ。特に、「令和おじさん」として人気上昇中の菅義偉官房長官が2度も応援に入りながら敗れたことは波紋を広げている。自民党の甘利明選対委員長は「支持者に浸透しきれなかった」と話した。上田氏の「後継」だった大野氏の地盤は、自民党の新藤義孝県連会長の地元と同じ川口市だが、同市の経済界の一部は大野氏を支持し、保守分裂にもなっていた。

人気漫画「翔んで埼玉」とコラボで注目された投票率は32・31%で、前回から5・68ポイントアップ。16年ぶりの30%台復帰で一定の「翔んで」効果となった。