7月7日付で退団する月組トップ月城かなと、トップ娘役海乃美月のサヨナラ公演「ミュージカル・ロマン『Eternal Voice 消え残る想い』」「レビュー・アニバーサリー『Grande TAKARAZUKA 110!』」が、兵庫・宝塚大劇場で上演中。レビューは110周年記念作で、宝塚公演では110期生が初舞台ラインダンスを披露している。宝塚は5月12日まで、東京宝塚劇場は6月1日~7月7日。

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■旅立ちのイメージを演出も

芝居の舞台は、ヴィクトリア女王統治下のイギリス。月城は独特の勘を持つ考古学者ユリウスにふんし、亡き母から特殊能力を受け継いだ女性アデーラを海乃が演じている。

特殊能力を受け入れて自由に生きるユリウスと、自身の能力を恐れるアデーラ。作・演出の正塚晴彦氏が月城、海乃にそれぞれあて書いたオリジナル作で、2人は存分に個性を発揮。スコットランド女王メアリー・スチュアートの遺品とされる首飾りをきっかけに、事件へ巻き込まれていく。

次期トップに決まった鳳月杏は、超常現象を研究するユリウスの友人役で、女王陛下のために動く特定秘密局局員ダシエルは風間柚乃。芝居巧者ぞろいの月組らしい舞台運びを見せる。

芝居のエンディングでは舞台に月城、海乃が残り、幕が下りる中、舞台奥から客席へとゆっくり歩を進める演出もあり、2人が卒業、新たな旅立ちへ向かうイメージを描き出した。

■月城「千秋楽まで見守って」

レビューは宝塚110周年記念、中村一徳氏の作・演出。「歴史と伝統」を受け継ぎ、「新しい時代、歴史への始まり」を祝う。伝統的レビューへのオマージュから、「月」をイメージした未来へのメッセージも込められた。

宝塚公演は3月30日に開幕。今春入団した110期生も初舞台を踏んだ。宝塚公演では、月組メンバーに、初舞台生も加わる。

月城は初日にあたって「皆さまに愛していただける作品になるように、千秋楽まで精いっぱい頑張って参りたいと思います。どうか皆さま、千秋楽まで、この初舞台生を含めた月組生、どうぞ見守っていてください」とあいさつ。タカラジェンヌ最後の舞台のスタートを切った。【村上久美子】

サヨナラ公演の初日を迎えた月城(左)と海乃
サヨナラ公演の初日を迎えた月城(左)と海乃
芝居でも熱演を見せる月城
芝居でも熱演を見せる月城
次期トップ鳳月杏(最前列右端)、人気スター風間柚乃(同左)らに囲まれ、退団公演のショーに臨む月城
次期トップ鳳月杏(最前列右端)、人気スター風間柚乃(同左)らに囲まれ、退団公演のショーに臨む月城