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2004/09/24付紙面より
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中田は意識過剰気味
スポーツ部 盧載鎭記者
あなたが町を歩いている時、いきなり「イタリアのフィレンツェといえば?」と聞かれると、何と答えますか?
おそらく多くの人は「ドゥオモ(大聖堂)」とか、ダビデ像とか答えるかもしれない。「中田のフィオレンティーナ」と答える人は、まだ1割にも満たないのではないだろうか。
今季、パルマからフィオレンティーナに移籍した日本代表MF中田英寿(27)は、17日付の「コリエレ・デロ・スポルト」のロングインタビューに応じ「フィレンツェは素敵な町だけど、日本人観光客が多いのが残念。とても気を付けなければいけない。ローマに在籍したときも最初の2カ月は外に出るたびに写真とサインを頼まれていた」と答えている。
理由は、プライベートの時間を邪魔されたくないからだという。常にスポットライトを浴び、注目される身だけに「食事に出掛ける時くらいは自由にさせてよ。ゆっくりショッピングさせてよ」という気持ちは十分、理解できる。
確かにフィレンツェの町を歩くと、地図を片手に観光ポイントを探す多くの日本人に出会う。しかしその中で、中田の存在に気づく日本人は1日何人いるのだろうか。「ちりも積もれば…」というが、中田は本当に嫌気が差すほど、町中でサインを頼まれているのだろうか。
サッカー選手なのだから、言葉ではなく、ピッチ上で自分を表現する。それぞれ個性があるのだから、理屈は通る話なのである。しかし、プロの自覚があるのなら、町で声をかけてくる日本人観光客に「練習を見に来て。試合に来れば」と軽くかわすのはどうだろうか。スタンドに日本人の姿が目立つほど中田という商品の価値も上がるのだから。スポンサー契約を結んでいるメーカーのデジタルカメラの売り上げも伸びるのではないだろうか。
ある日本代表選手はいう。「ヒデさんの腕と太ももの太さ、胸板の厚さは見るだけでも驚く。人の見ないところですごいトレーニングをしていると思う。普通の練習ではあんな体にはなれない」。人一倍の努力で、日本人では珍しくセリエAで成功を収めた。成功とともに、富も得た。その富のほとんどが、ジャパンマネーであることは言うまでもない。
サッカーだけに集中したい気持ちは理解できるが、イタリア紙に「日本人が多いのは…」というのはどうかと思う。日本人へのメッセージならともかく、観光でフィレンツェを訪れる日本人はほとんど「コリエレ…」は読まないだろうし。
孤独なリハビリに耐えて両股関節痛を克服したわけだから、今は体調を整えることに集中すべきではないだろうか。フィジカル面で課題も見つかったはずだ。中田が来る前から日本人観光客はフィレンツェにいたわけだし、意識過剰は自分にとってマイナスになるだけなのだ。
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盧載鎭(ノ・ゼジン)
スポーツ部。1968年韓国ソウル生まれの35歳。杏林大卒。88年来日し、96年入社。相撲などを担当し、現在サッカー担当。2度のW杯を取材。
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