佐々木また2位/W杯回転
<アルペンスキー:W杯回転>◇第8戦◇10日◇長野・志賀高原焼額山スキー場
佐々木明(24=ガーラ湯沢)がトリノ五輪の屈辱を晴らした。2回の合計1分36秒83をマークして、1月24日の前戦オーストリア・シュラートミンク大会に続き2位に入った。同五輪は途中棄権に終わって4位の皆川賢太郎(28)7位の湯浅直樹(22)に話題をさらわれたが、2戦連続表彰台でエースの意地を示した。五輪金メダルのベンヤミン・ライヒ(オーストリア)が回転で今季初勝利を飾り、初の総合優勝を確実にした。皆川は14位、湯浅は1回目で途中棄権した。
日本人W杯初制覇の期待に、会場は騒然となった。正午からの2回目は軟らかくなった雪にトップ選手も苦戦。佐々木はバンク(ターンの溝)が深くなっても強気にインを攻め、上位6人を残してトップに立った。後続がタイムを縮められず、残るはライヒだけ。観客の興奮は絶頂に達した。しかしトリノの金メダリストはしなやかな滑りであっさりと優勝。佐々木は前回のW杯でパランデルに敗れたのに続き、最後の1人に優勝をさらわれた。
それでも佐々木は表彰台で喜びを爆発させた。世界トップの証明となる2戦連続2位で、日本人最多の3度目の表彰台。それ以上に五輪の屈辱を晴らせたのがうれしかった。「五輪は悔しかったし、情けなかったが、日本開催のこの大会があるからと気持ちを切り替えられた」と五輪後の2週間を振り返った。
トリノでは日本勢50年ぶりの入賞を果たした皆川、湯浅の華々しい活躍の陰に埋もれ、さらにチーム佐々木の結束に亀裂が入りかけていた。25日の回転1回目で8位と出遅れて「もう4年後、終わり」と以前の投げやりな態度が顔を出した。この言葉に6季コンビを組む伊東サービスマンらスタッフが激怒した。我に返った佐々木は、ふてくされたことを深く反省。改心して臨んだ2回目は気負いすぎて途中棄権に終わったが、志賀高原でのリベンジに執念を燃やしていた。
けっして派手な言動だけではない。ホールリグル・コーチも「大事なのは失敗したら、そこから立ち上がること」とたたえた。佐々木も「W杯の優勝は秒読みだけど、まだ届かない。でも、まずは表彰台に立つこと。そして国内の応援してくれる人の前で真ん中に立ちたい」と11日の第9戦に意気込んだ。この日の活躍で、4季連続となる来シーズンの第1シードが確実。あとは少しでも早く、念願のW杯制覇を達成する。【佐藤智徳】
[2006/3/11/07:05 紙面から]
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