<全国高校総体>◇9日目◇9日◇松戸運動公園体育館ほか
フェンシングで東北勢がアベック優勝を飾った。女子エペで坂野友里(山形・米沢東3年)が予選プールから全勝で勝ち進み、決勝も相手に1度もリードを許さない巧みな試合運びで15−12と勝利。昨年3位に終わった悔しさをバネに、最後の夏に栄冠をつかんだ。男子サーブルは志賀澄人(宮城・仙台南3年)が初制覇を果たした。
15点目の突きが決まると、坂野はマスクの下で叫んだ。「ヤッター!」。振り返って沼尻芙美子監督(33)の顔を見たら、涙が止まらなくなった。1年間、待ち続けていた瞬間だった。
昨年のこの大会で3位に入った。高校から競技を始めた選手には上出来とも思えるが、本人の気持ちは違った。「焦って攻めて、逆にポイントを取られた。思い切り行くだけではダメだった」。剣のスピードで勝っていても、勝負の駆け引きで負けていた。それが悔しかった。
1年の冬、競技歴9カ月でJOCカデ(14〜16歳)のエペを制した。順調に成長していたはずが、大きな壁にぶつかった。ひたすら前へ出るのではなく、誘い込んで裏をかく。自分のリズムに持ち込むことが、勝利への道と再認識した。相手をしっかり観察し、頭と体をフル回転させた今大会。予選プールから8戦全勝で日本一へ駆け上がった。94年から始まった女子エペで東北勢の優勝は初めてのことだ。
標的が胴体部分だけのフルーレ、上半身だけのサーブルに対し、エペは全身が有効面。実力者同士の攻防は、より緊迫したものとなる。「その心理戦が魅力。自分のランプが付いたときはうれしい」。うれし涙でぬれた顔に、いつもの笑みが戻った。【高宮憲治】
[2005/8/10/11:23 紙面から]
写真=優勝を決めた坂野は顔をクシャクシャにして沼尻監督と抱き合う
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