五輪開催中のリオデジャネイロ市内で外国人の五輪関係者らが巻き込まれる交通事故が続いている。

 15日にはドイツ代表のコーチが死亡。別の事故でフランス人記者らが重傷を負い入院した。世界保健機関(WHO)によると、ブラジルの死亡事故発生率は日本の約5倍。死者数は年4万人を超え、インド、中国に次ぐ世界ワースト3位だ。

 地元メディアや組織委員会によると、アテネ五輪銀メダリストのドイツ・カヌー代表コーチ、シュテファン・ヘンツェ氏(35)が乗ったタクシーが12日早朝、選手村に戻る途中、五輪公園に近い市西部バーラ地区で壁に衝突。ヘンツェ氏は手術を受けたが15日に死亡した。同乗のドイツ人スタッフも負傷した。

 15日未明には同地区で車4台が絡む衝突事故があり、フランス人記者らが病院に運ばれた。外国人らが乗ったとみられる大会公式車も6日未明と10日未明にそれぞれ事故に巻き込まれた。期間中、日本人が負傷する事故が起きた情報はないとされる。

 広大なブラジルは都市間距離が長く、スピード超過や居眠りで事故が多発。2014年の交通事故死者は4万3000人に上った。WHOによると、人口10万人当たりでは23・4人(13年)。4・7人の日本など先進国を大きく上回る。

 一方、リオなど都会は渋滞が慢性化。交通量が減る深夜から未明に死亡事故が起きることが多い。