【リオデジャネイロ1日(日本時間2日)=田口潤】リオデジャネイロ五輪競泳女子200メートル平泳ぎ代表の金藤理絵(27=Jaked)が金メダルへの強い気持ちを抱いてリオ入りした。実力者もメンタル面が課題。金メダルより世界記録を重視することで、重圧を軽減してきたが、最近は自ら闘争心を前面に出し始めた。

 4月の日本選手権で出した2分19秒65の日本記録は今季世界ランク1位。それでも加藤コーチは金藤の繊細な心理面を配慮し、金より2分18秒台の世界記録を強調してきた。本人も従ったが、6月の米高地合宿から気持ちに変化が表れ、自ら「金メダルが取りたい」と言い始めた。

 もともと闘争本能の欠如がネック。アスリートの闘争本能を測る「心理的競技能力検査」の数値は一般人以下。加藤コーチから昨年ラグビーW杯の日本代表などを例に勝利の美学を教えられてきたことが、実り始めた。空港でも「気持ちは高まっています」と強気を貫いた。08年北京大会7位入賞も12年ロンドン大会は落選し、この4年は毎年引退危機と闘ってきた。今季飛躍した泳ぎに強いメンタルが加われば怖いものはない。2日には本番プールで初練習を開始する。