東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会は17日、大会関係者で新たに15人が新型コロナウイルス検査で陽性になったと発表した。うち1人が選手村でのスクリーニング検査で陽性反応が出た。選手村から陽性者が出たのは初めて。

内訳は業務委託スタッフ7人、大会関係者6人、メディア2人。エリアは東京9人、北海道1人、宮城1人、茨城1人、埼玉1人、千葉2人となった。公表を開始した今月1日以降では最多で初の1日2桁。通算は45人となった。

国際オリンピック委員会(IOC)理事会後、メインプレスセンター(MPC)で会見した組織委の武藤敏郎事務総長(78)は「15人という人数はその通り。ごく最近情報が入った。選手村で確認されたのも初めてのケースで、昨日(16日)のPCR検査で判明した」と説明した。現在は隔離先のホテルに収容されているという。

感染者の国・地域名や年齢、性別などの情報は開示しない方針で「IOCとも意見交換したが、国名を発表すると、かなりの確率で個人特定されるとIOCが言っている。個人情報に関わり、シビアな問題になる可能性がある。IOCおよび組織委から国名発表は控えるべき、との結論に至った。しかし、試合に参加できなくなったことをNOC(各国・地域オリンピック委員会)が発表することは十分あり得る」とした。

また、濃厚接触者の取り扱いについて、試合6時間前の検査で陰性と確認されれば出場が認められる方針については「陰性が出た場合、毎日検査し、隔離された部屋で食事を取り、練習の時だけ部屋から出られる等、プレーブック(新型コロナ対策ルール集)にはそこまで書いていないが、基本的に合意した。陰性の場合、競技に参加できると考えている」と明言。続けて「格闘技のような(対人競技の)場合は、相手選手の了解を取るかどうかが課題」と補足した。【木下淳】