【大上悟・オレに任せろ】

 ◆12R:毘沙門天賞

 新田祐大と渡辺一成が新設G2の舞台で新たな絆を生む。初日特選11Rはまくった新田とマーク渡辺で福島ワンツー。2日目12R毘沙門天賞は、逆に渡辺-新田の並びで連続ワンツーを狙ってくる。

 2月のW杯第4戦(米国)で落車を喫した新田にとって、初日は薄氷の勝利だった。打鐘から仕掛けて逃げた深谷知広-浅井康太の3番手絶好だったが、「(落車の)ダメージが不安だったし、深谷君と浅井さんの仕事がマッチしていた。飛ぶ(負ける)と思った」。最終2角からスパートしたものの、浅井の外を並走する展開。そして直線で後位の浅井が落車した。「状況が分からなかったが、誰かが突っ込んで来ると思って身構えた。一成さんとワンツーが決まるなんて、とても思えなかった」。

 上がり11秒6の平凡なタイムは苦闘の証し。それがハートにスイッチを入れた。再びタッグを組む渡辺の「番手で不細工なレースをしている自分が勝負して、2人で輝きたい」という熱い思いを受け入れた。昨年2月の全日本選抜は新田が前で駆けて渡辺のG1初戴冠につなげた。渡辺の口から発せられた「2人の前後は臨機応変。平原(康多)さんと武田(豊樹)さんのような関係を築きたい」の言葉。新田も以心伝心で同調した。

 毘沙門天賞は、準決をにらんで細切れ戦のタテ勝負となる。平原を背負った吉田拓矢の先行有力なら、渡辺は足を使って3番手をキープする。まくり一発を放つ渡辺に乗って、新田が直線一気、3車でまくる原田研太朗とのゴール前勝負とみる。3連単は(2)=(5)から総流し。