守田俊介(40=滋賀)がSG初制覇を飾った。強烈な追い風の中、コンマ06のトップスタートを決めて逃げ切った。SG5度目の優出にして、初のビッグタイトルを獲得した。滋賀支部から4人目のSGウイナーが誕生した。獲得賞金は6900万円を超えて、6位に浮上。初のSGグランプリ(住之江)出場も確実にした。2着は地元の山田雄太、3着はエース機の原田篤志が入線した。

 最終日は5日目と風向きが一変、強烈なホーム追い風が吹いた。しかし、守田俊介は動じなかった。インからコンマ06の全速スタートを決めた。スリット手前から外をけん制、1Mは懐を取って先マイした。「追い風の方がスタートを合わせやすかった。(1Mは)ターンでためをつくって、しっかりグリップして回れた。奇跡が起きた」。デビュー21年6カ月、繰り上がりで出場権を得たダービーでSG初優勝を飾った。

 会心のスタートで、勝利を呼び込んだ。これぞ守田のスタイルだった。苦い経験もある。00年1月の新鋭王座決定戦(びわこ)。地元で優勝戦1枠に陣取った。栄冠は目前だったが、インからコンマ06もの勇み足を犯した。強気なスリット攻勢が持ち味だが、デビュー以来31本ものフライングにも泣いてきた。事故で遠回りもしたが、最高の舞台で最高のスタートを決めた。

 獲得賞金は6900万円を超えて、ランクは6位まで上昇した。SGグランプリ(住之江)出場を確実にし、2ndステージからの参戦も見えてきた。「一切、考えていない。今回、たまたま奇跡的に勝っただけで、僕は下の方(1stステージ)でいい」。控えめなコメントで締めたが天性のハンドル、スタート力があれば、年末の1億円ゲットも夢ではない。

 大の回転ずし好きとしても知られる。ただし、仲間との祝勝会ではお預けになりそう。「僕は行きたいけど、待ってくれている滋賀支部の先輩が許さないでしょう。本当はガリとすしを食べたい(笑い)」。最後までユニークな守田ワールドだった。【津波謙次】

 ◆守田俊介(もりた・しゅんすけ)1975年(昭50)8月12日、京都府生まれ。94年5月、74期生としてびわこでデビュー。初優勝は96年8月の平和島。G1優勝は3回。SGは5回目の優出で初優勝。同期は勝野竜司、石渡鉄兵、辻栄蔵ら。好きな食べ物は回転ずし。171センチ、50キロ。血液型A。