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田中“赤い勝負服”で2度目Vだ/オート

 田中茂(32=飯塚)が、赤い勝負服の3枠から06年に続く2度目のSS優勝を狙う。初の大みそか開催となった第23回スーパースター王座決定戦は、予選を突破した8選手が、川口オートレース場の10周5100メートルで覇を競う。予選トップの田中が一歩リードするが、08年を締めくくる大みそかの頂上決戦は予断を許さぬ激戦となりそうだ。

 「ラッキーカラーは赤。勝負パンツは赤のTバックです」。ひょうきん。目立ちたがり屋。自他共に認める田中のキャラが、ともすれば緊張しがちな記者会見で笑いを取った。

 昨年まで2回だったトライアルが、今年から3回になった。田中の成績は3、1、1着。予選トップで枠順選択順位は1位。2枠か3枠か迷った末に「スタート切れる池田さん(選択順位2位)が2枠を取るだろうから3番を選んだ」と語った。自分で逃げるより、好位追走からの抜け出しが好きだという田中は、池田に乗って好位をキープし、早めに抜け出す作戦だ。

 赤の3番は11月に山陽オートで開催された日本選手権で、2年ぶりに4度目のSGを制覇、復活を強烈にアピールした色でもあった。3枠から4番手スタートを切った田中は、最初のコーナーで前がごちゃつく間に、インを突いて2番手に上がった。伸びは鋭く、先頭の浜野をかわし2周1コーナーで先頭。周回を重ねるごとに差を開いてのゴールだった。準決、優勝戦ともに試走タイム(100メートル)は3秒25と断トツ。「コーナーが乗りやすく直線も出る。完ぺきです」と自信を持っての出走で、3秒27を出した高橋貢(3着)も「あのタイムを出されて、先に行かれたら追いつくわけがない」と完全に脱帽だった。

 勝利インタビューでは、いつもの快活な田中らしさを徐々に失い、「茂、よくやった」の声がかかると涙があふれ出し、真っ赤な目で「初めてSGを勝った時よりうれしい」と声を絞り出した。

 06年のオートレースGPでSGを初制覇すると、日本選手権、スーパースター王座決定戦と3連覇。初制覇からの3連覇は史上初、という田中伝説をつくった。亀田興毅ばりに「どんなもんじゃい」と、ほえまくり、ファンの喝采を浴びた。バック転まで披露した。

 絶頂期から急坂を転がり落ちるのも速かった。左肩の脱臼癖が治らず凡走に次ぐ凡走。ついに今年5月末に手術に踏み切った。3カ月のブランク後に9月の若獅子杯(準優勝)から戦列復帰。クランクなどの主要部品を換えながら整備を進め、5節目での日本選手権優勝で苦しみを乗り越えた。

 今年のSG優勝者は全日本選抜・高橋貢、オールスター・有吉辰也、オートレースGP・永井大介、日本選手権・田中茂で、まだ2つ勝っている選手はいない。「3日目までの乗りづらさは解消した。直線がもう少し出れば」。最後の整備をする田中が連勝すれば、2度目のMVPが有力になる。涙を経験した田中が、これからどんな新伝説をつくるのか。

 日本選手権優勝後の第一声は「とったどー」だった。今回は「まだ考えていません」と、目がいたずらっぽく笑った。【横山保雄】

 [2008年12月31日9時10分 紙面から]


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