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坂本勉引退「ロスの超特急」いわき平で花道

10年8月31日、ツーショット撮影に照れる坂本勉(右)と息子の貴史
10年8月31日、ツーショット撮影に照れる坂本勉(右)と息子の貴史

 「ロスの超特急」と呼ばれた坂本勉(48=青森)が引退することが13日、明らかになった。いわき平F1(20~22日)が現役最後の花道となり、今月中に引退会見が行われる。84年の米・ロサンゼルス五輪の自転車競技スプリントで日本初の銅メダルを獲得。日本競輪学校57期生として86年5月にデビューし、2度のG1オールスター制覇、90年にはKEIRINグランプリ王者となるなど、世界レベルの機動力で一時代を築いた。

 五輪銅メダリストから輪界に旋風を巻き起こした「ロスの超特急」がついにバンクを去る。第一線で活躍してきたが、慢性化した重度の腰痛を抱え、全盛期の驚異的なスピードとダッシュ力は衰えた。近年は自在型、追い込み型へ戦術を変えながらも苦闘を続け、今期は35走して1着1回と低迷し、7月(後期)からはA級陥落が決まり引退を決意した。20日から開催される北日本地区のいわき平F1の追加配分を受け、27日開幕の武雄F1を欠場して最後の花道を飾る。

 欧州勢が独占してきた自転車競技で日本人初の銅メダル獲得は快挙だった。その後の日本勢のメダル獲得は、プロ選手が解禁された96年アトランタ五輪1キロTT銅メダルの十文字貴信までなく、アマ選手の五輪メダルは今でも坂本だけだ。

 鳴り物入りでプロデビュー後も167センチの小柄ながら世界の脚力を見せつけて記録を量産した。86年6月22日(名古屋)~同年11月9日(函館)までの35連勝は史上最多記録(83年4月の制度改正以来)で今も破られていない。89年オールスターを完全VでG1初制覇。90年にはKEIRINグランプリ制覇、91年に再度オールスターを優勝し絶頂期を迎えた。

 温厚な人柄で人望は厚く、北日本勢に限らず精神的な支柱をなしてきた。昨年1月に父譲りの機動力で長男貴史(22)がS級昇格し、同年9月オールスターでは史上初のG1親子同時出場も果たした。いわき平は東日本大震災の被災地では初の競輪再開だ。未曽有の震災からの復興を祈る打鐘を背に、希代のスピードレーサーが25年余のプロ人生に別れを告げる。

 [2011年6月14日9時35分 紙面から]

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ロスの超特急

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