皆さんにはライバルはいますか? 仕事、スポーツ、勉強…。今回ご紹介する注目選手は今季、横浜ユースからトップチームに昇格したMF遠藤渓太(18)とFW和田昌士(18)の2人です。

 2人は小学生の頃からずっと一緒なのです。横浜市立二俣川小-横浜市立万騎が原中、小学2年の頃から二俣川SCで共にサッカープレーして以来の良き仲間でありライバル。横浜ユース時代も遠藤、和田の活躍で日本クラブユース選手権優勝を達成し、遠藤は大会得点王、MVPを獲得しています。一方の和田も14年に提携先のマンチェスターCに短期留学し、地元メディアから「ダビド・シルバ2世」と報じられており、期待されています。

 今年1月の新体制会見でも約2000人のファンに、10年来の息の合った掛け合いで五郎丸のものまねを絡めた即席コントを披露して、場を和ませました。2人の練習に“変化”があったのは今月7日からの1週間。和田はU-19(19歳以下)日本代表候補合宿へ招集され、チームを離れました。一方、チームに残った遠藤は「めっちゃ悔しかったし、あいつが行っている間にこっちでどれだけ頑張れるか。結構大事な1週間」と奮起。MF斎藤学(25)も日本代表候補合宿で留守にする中、監督から白羽の矢が立ち、主力組で練習をするようになりました。

 和田、斎藤がチームに合流後も主力組から抜けることはなく、12日アウェー新潟戦で右MFで初先発の座を勝ち取りました。物おじすることなく、ミスしても果敢に挑戦し続け、後半38分までピッチを駆け回り、勝利に貢献。試合後「プロがどんなレベルなのか分かった。今度は自分が試合を決定付けられる選手になりたい」。和田も「同年代のトップ選手とやって刺激を受けた」と代表候補合宿を振り返っており、この1週間でともに得た収穫は大きかったでしょう。

 遠藤は「昔からあいつが一歩先にいってた」。代表経験もあり、2種登録もしていた和田の背中を常に追っていました。2人で切磋琢磨(せっさたくま)し、成長することはチーム力の底上げにもつながります。東京五輪世代として2人が日の丸を背負う日もそう遠くはないかもしれません。

 ◆青木沙耶香(あおき・さやか)1992年(平4)8月29日、東京都生まれ。上智大を経て15年東京本社に入社。5月からスポーツ部サッカー担当に配属。今季はJ1横浜と大宮を担当。私のライバルは花粉症です。今年もマスクが手放せません…。