J2札幌は現在、メイン練習場の札幌・宮の沢と、札幌ドームサブグラウンドの養生期間が重なったこともあり、公式戦がないときは同ドーム屋外に運び出されている天然芝のホヴァリンスステージ上で練習をしている。

 同ステージは芝で覆われたすり鉢状の土手に囲まれており、取材に行く際は、その土手を数分、歩いて降りていくことになる。

 グラウンドにたどり着くまでに、かなり距離があり、土手の道ばたには複数の芸術作品が存在する。これが「ポケモンGO」の「ポケストップ」になっている。「ポケストップ」とは、ポケモンをゲットする際に投げつけるモンスターボールなどのアイテムを確保できる場所で、日本全国の目立ったモニュメントや公共機関、公園の看板などに設定されている。

 息子からボールを増やすよう厳命されている手前、業務前、この前を通り過ぎるときを見計らい、ボールをゲットしてみた。5分経過すると、再び同じ場所でボールをゲットできるため、取材が終わり土手を上がる際に、またゲットできた。

 ポケモンGO自体は基本、休日に子供と出かける際、スマホを渡して探させるだけ。触れる機会が少なく、大して強力なポケモンが獲得できているわけでもない。果たして、どれだけのレベルなのか、情報通のGK金山隼樹選手に評価してもらった。「長くやっている割には弱いっすね」と手厳しかった。チームでは既に禁止されており、金山選手もやっていないが、一般的に、CPと呼ばれる値が最低でも1000以上ないと、バトルで勝つことができないらしい。私の最強CPは500程度で、かなり初心者に近いレベルだったようだ。

 札幌は徐々に木々も色づいてきた。「ポケモンマップ」なる検索アプリによれば、札幌ドーム近辺は同市内の中では比較的、ポケモンが発生する「繁華街」だった。周辺は散歩コースも充実しており、所々に巨大な芸術家の作品が飾られており、これがポケストップになっている。

 Jクラブの練習を見学し、帰りは散策しながらポケモンやモンスターボールをゲットするというのも、親子のコミュニケーションを深めるためのきっかけづくりとしては良いかもしれない。街中のように車の往来もなく安全だ。

 仕事中の遊びは禁物だが、休日なら問題はない。公式戦開催時とは異なる静かな戦場。プロ野球、Jリーグとは違う、親子での、ひそかな「バトル」を楽しむ場所としても、ぜひ、おすすめしたい。


 ◆永野高輔(ながの・たかすけ)1973年(昭48)7月24日、茨城県水戸市生まれ。両親が指導者だった影響で小5からフェンシングを始め競技歴15年。早大フェンシング部で一度、現役引退も、00年に再起してサラリーマン3年目の27歳で富山国体出場。09年から札幌担当。好きなポケモンは「タマタマ」。