サッカー日本代表は29日、親善試合ウズベキスタン戦(31日・味の素スタジアム)に向けて、都内で1時間15分の軽めの練習を行った。

 追い風参考記録ながら9秒台をマークした日本最速男、桐生の記録にハリルジャパンの“最速”男2人が刺激を受けた。新体制の初陣でそろって先発したFW永井謙佑(26=名古屋)とDF藤春広輝(26=G大阪)はともに50メートルを5秒8で走る。サッカー界屈指のスピードを買われての新生代表入り。この日の練習後、永井は「監督からは(相手DFの)裏のスペースを使うように言われている」。あらためて誰にも負けない武器の使いどころのイメージを膨らませた。

 永井と藤春、いったいどっちが速いのか? 狭い取材エリアで隣にいた2人に、同時に質問すると、2人とも相手を指さした。本当に速い男は自分が速いとは言わないものなのか…。ただ、藤春はより具体的に永井に言及。「1歩目、2歩目が本当に速い。僕はだんだんとスピードに乗ってくるので…」とピッチでの体感速度で説明した。

 ともに代表でのキャリアはまだまだ。A代表では“参考”程度の実績しか残せていない。永井は桐生について「参考記録だったんですよね」と少し残念がり「僕も、このチャンスを生かして頑張りたい」と言った。2人の持つ規格外のスピード。これこそ、日本が世界の壁をぶち破る切り札になるかもしれない。【八反誠】