【武漢(中国)4日】日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督(63)が異例の戦術練習なしで韓国戦に挑む。試合前日は武漢市内で公開練習を行ったが、敗れた2日北朝鮮戦の疲労回復を優先し、軽めに調整。戦術確認はゼロながら、3日には100分間のミーティングで敗因、修正点を理解させた。かつてアルジェリア代表監督時代に圧勝した“因縁”の相手を倒し、連覇の可能性をつなぐ。

 約4分間の青空ミーティングが終わると、選手は、すみやかに2組に分かれた。北朝鮮戦に先発した10人と、控え組の10人。ハリルホジッチ監督は、控え組の5対5のミニゲームに付き合い、大声で指示。先発組は、ランニングと軽い調整約1時間で終えた。試合前日とは思えない練習内容だった。

 指揮官は「1試合目に出た選手はとても疲れていたので、分けた練習には特に意味はない」と説明。中2日での試合に向け、戦術練習を全く行わなかった。左FWで先発が濃厚な倉田は、初招集のため「(周囲との連係を)合わせないで試合に臨むのは初めて。頭の中で整理するしかない」と驚いた。

 W杯ブラジル大会でアルジェリアを率いたハリルホジッチ監督は、1次リーグで韓国と対戦。攻撃を重視して先発を5人入れ替える勝負手で、格上に4-2と快勝している。今回も多くの先発入れ替えが濃厚。「グループで最も強い相手」とライバルを警戒してこそのことだ。3日には約1時間40分かける「ハリル講座」で、北朝鮮戦の映像を全員で確認した。「負けて、いろんなレッスンを我々は学んだ」と、分析はばっちりだ。

 北朝鮮戦では、2メートル近いFWパクに圧倒された。韓国にも196センチのFW金信■(キム・シンウク=蔚山)が強敵となる。DF丹羽は「相手のイメージはできている」と、講義内容が頭に入っている模様。敗戦を苦い薬として、ライバルへ勝利を突きつける。【小杉舞】

※■は火ヘンに日の下に立