ドイツ1部マインツの日本代表FW武藤嘉紀(23)が30日、凱旋(がいせん)帰国した。前日29日のハノーバー戦でブンデスリーガ初ゴールを含む2得点。結果を引っ提げ、W杯ロシア大会アジア2次予選(9月3日カンボジア戦、8日アフガニスタン戦)に臨む海外組の一番乗りで羽田空港に降り立った。さいたま市内で今日31日に始動する日本代表として、次はハリルジャパン初ゴールを狙う。

 武藤が海外組として初めて帰国した。7月7日の渡独から約2カ月。上下ジーンズのラフな格好で「1試合2発」を手土産に日本へ舞い戻った。前日29日のハノーバー戦でブンデス挑戦後初ゴールを含む2得点の活躍。羽田空港の到着ロビーでファンから「おめでとう」と祝福されると、笑顔で握手やサインに応じた。

 試合3時間後の帰国便に飛び乗り、約11時間のフライト。宿命の強行軍を初体験し「かなり疲れた」と苦笑いした。しかもチーム最多28回のスプリント(時速24・48キロ以上の走り)を記録した後だ。「足の疲れがかなり…。でも移動や時差は海外組ならでは。早く慣れていきたい」。54日ぶりの日本で立場を自覚した。

 「家族とゆっくり過ごします」。この日は水入らずの食事会で英気を養い、今日31日からW杯2次予選に向けた代表合宿に入る。昨年9月9日のベネズエラ戦で鮮烈な初ゴールを決めてから約1年。「あれから代表で点を決めていないので、しっかり取って貢献できれば」とハリルジャパン1号を狙う。6月のシンガポール戦は引き分け発進。「今回の2戦は何が何でも勝たないといけない」と燃え、海外組として違いを見せつけるつもりだ。【木下淳】