来年のリオデジャネイロ五輪出場を目指すU-22(22歳以下)日本代表が、来年1月のアジア最終予選に向けて“最後”の戦力テストを行う。日本協会は19日、25日から佐賀県内で行う合宿に参加する同代表候補選手28人を発表。浦和MF関根貴大(20)ら4人を初選出した。A代表のコーチを兼任してきた手倉森誠監督(47)が、予選終了までU-22代表の指揮に専念することも発表。6大会連続の出場権獲得への準備は、いよいよ最終段階に入ってきた。

 ついに、その名前がリストに載った。東京・本郷のJFAハウス。会見場で、報道陣に配られた代表候補選手名簿には関根の名前があった。「浦和だけに、U-22の裏技」といつものようにダジャレを決めた手倉森監督だが、すぐに真顔で理由を説明した。

 「代表のシステム(主に4-2-3-1)と浦和のシステム(3-6-1)の違いもあった。呼びたい時にタイミングが合わないというのもあった。そんな中でも彼は浦和で試合に出続けている。呼んで、自分の目で見て、手元において、彼がどう代表に関われるかを見たい。呼ばずに判断するものではない」

 関根だけではなく、川崎FのDF中野ら計4人を初招集。大分MF為田も、1年半ぶりに復帰させた。ナビスコ杯決勝を控えるG大阪、鹿島勢を除いても、28人もリストに載せた。「復帰組、新顔を織り交ぜて、最後の競争、テストに取り組んでいきたい。代表を固めたいというか、自分の頭の中でイメージを固めたいというのがある」とうなずいた。

 会見では、A代表のコーチ兼任を一時取りやめることも発表された。霜田技術委員長とハリルホジッチ監督から提案され、受諾した。「同じ監督として、最終予選前にしないといけないこと、かかる重圧は一番理解していただいている。準備が必要だろうと言われ、甘えさせていただきますと返事しました」。

 シンガポール、カンボジアに遠征する日本代表の11月のW杯予選には同行しない。五輪の出場権を得るために、全てをU-22日本代表の強化のために注ぎ込む。そんな決意を「合宿地が佐賀だけに、アジアで差が出せるように頑張りたいと思います」と笑いに紛らわすのも、また手倉森監督らしかった。【塩畑大輔】

 ◆招集人数メモ 今回のU-22代表候補合宿に呼んだ選手数28人は手倉森ジャパン最多。監督が就任後初めて選考に携わった昨年3月の東京合宿の27人を上回った。それ以外の合宿は23~25人が多い。最少は今年2月のシンガポール遠征の18人。昨年10月のアジア大会は規定の20人だった。リオ五輪最終予選の登録人数は23人、五輪本大会は18人。