【シンガポール10日】約5年ぶりに日本代表に復帰したFW金崎夢生(むう、26=鹿島)が、1トップでテストされた。複数の関係者によると非公開で行われた戦術練習で金崎が1トップに入ったという。不動の1トップの岡崎に加え、金崎の新オプションが機能すれば、12日に対戦するシンガポールなど引いて守ってくる相手を崩す武器になりそうだ。

 ハリルホジッチ監督は、ナビスコ杯5戦5発で鹿島を優勝に導いた金崎をテストした。戦術練習では数パターンの組み合わせが試され、その中の1つが金崎の1トップ起用だったという。指揮官は常に「真ん中にパワーが足りない」と新たなFWの発掘を続けてきたが、「センタリングを有効に利用できる選手。ヘディングもうまい。直接練習でみたい」と高く評価する金崎をテストした。

 前回のシンガポール戦では中央からの強引な突破が目立ち、引いて守る相手を崩し切れなかった。この日はその対策として、サイドからの攻撃に重点を置いたという。前線の選手の動きだしに対して、サイドからのコンビネーションなどの細かな確認がなされたという。サイド攻撃から得点に絡める金崎は、ハリルジャパンの新たな強みになりうる。

 今回のFW登録メンバーは7人でポジション争いは激烈だ。1トップは実績のある岡崎、成長が続いている武藤らもいる。そんな中、金崎が10年10月12日の韓国戦以来、5年ぶりの代表ピッチに立ち、新たな武器となるかもしれない。【岩田千代巳】