リオデジャネイロ五輪(8月4~20日)の場外戦が幕を開けた。前日14日の1次リーグ組み合わせ決定を受けて、U-23(23歳以下)日本代表の手倉森誠監督(48)が15日、大阪府内でオーバーエージ(OA)枠に言及。スウェーデンのFWイブラヒモビッチ(パリサンジェルマン)ら対戦国のエース級がOA候補と報じられた状況に「本田と香川? 頭の中のリストにはある」と発言。陽動作戦としながらも、負けじと日本のエースの名前を挙げた。

 五輪の組み合わせが決まり、手倉森監督には高まるものがあった。抽選から一夜明け、OA枠の人選に関する対戦国メディアの報道に反応。「すごい名前ばかり」と驚いた通り、ナイジェリアがミケル(チェルシー)、コロンビアがロドリゲス、スウェーデンがイブラヒモビッチと、ビッグネームが相次いでいる。

 指揮官は「本田、香川クラスですね」との質問にうなずくと、続けた。「そういった名前を打ち出していかないと。国民も注目しているし、俺のリストには、頭の中のリストには入ってます」と否定しなかった。

 北京五輪から日本の顔に飛躍した2人の招集が実現すれば、世界のメディアも放っておかない。「そうさせてくれるかどうかは国というか日本協会の問題」とした上で「W杯を経験している選手はアドバンテージがある」と、進行形すら想像させる言葉をつないだ。

 ただ、指導者としての計算もあるようだ。「実際は他国も呼べるか分からないし、陽動作戦かも。戦いは始まっている」と分析。日本協会スタッフによると、FW大迫(ケルン)が最上位だったOA候補は対戦国に応じて再考する。その中で「メンバーが分からないようにするのも1つの手」と、本田と香川の名をチラつかせて駆け引きに持ち込んだ。

 開催国ブラジルはネイマール(バルセロナ)のOA起用が有力。48年ぶりのメダル奪取に向けて行使をためらえない状況に「ハリルさんに相談しながら、世界と戦える選手をリストアップしたい」と、6月10日の派遣手続き完了まで可能性を探っていく。【木下淳】