【ラクロ(フランス)18日=木下淳】U-23(23歳以下)日本代表MF喜田拓也(21=横浜)が、21日のパラグアイ戦での先発が濃厚となった。昨年10月の代表活動中に左足首を負傷し、日の丸を背負うのは約7カ月ぶり。今年1月のリオデジャネイロ五輪アジア最終予選に出場できなくなった悔しさを胸に、本大会メンバーを目指す。トゥーロン国際はチェコ-マリ戦で開幕した。

 うれしかった。「キー坊!」。代表の仲間から愛称で呼ばれるたびに、帰ってきたことを実感する。「誰もが来られる場所じゃない。いつ来ても新鮮な気持ち」。7カ月ぶり招集は20人の中で最長ブランク。14年の手倉森ジャパン発足から名を連ねる男が、慣れ親しむ練習着に袖を通した。

 U-16から世代別代表の中心選手だったが、五輪予選には縁がなかった。15年3月の1次予選は予備登録止まり。同10月の佐賀合宿では鳥栖との練習試合に本職外のサイドバックで出場し、左足首を捻挫した。今年1月の最終予選は断念。それでも「行かないから関係がないわけじゃない」と当事者の気持ちで全試合を観戦し「悔しかったけど、低い前評判を覆し強くなったチームを見て感じるものがあった」と刺激された。

 同じ時期の横浜始動に気持ちを切り替えた結果、今季は開幕から11試合連続で先発起用されている。最終選考のトゥーロン国際は、中1日で最大5試合。ボランチは大島が腸炎、井手口が左足首痛で万全ではなく、喜田に初戦パラグアイ戦の先発が回ってきそうだ。「味わった悔しさ、もどかしさを生かすも殺すも自分しだい。けがはするものだし、変わらずコンタクトを恐れないプレーをする」と燃えた。