W杯ロシア大会アジア最終予選で窮地に陥った日本代表は3日、タイ戦(6日)に向けてバンコク市内で練習を開始した。

 「誤審」や「移動の疲労」に悩むのは、ハリルホジッチ監督だけではない。タイ代表は3日、ホーム日本戦に向けてサウジアラビアから帰国した。W杯アジア最終予選初戦のアウェー、サウジアラビア戦は押し気味に試合を進めながら、0-1の敗戦。しかも試合後、中東からの長距離移動を強いられ、帰国した3日も練習できなかった。

 地元メディアは「6日の日本戦まで4、5日の2日間しか調整できない」と危機感をあおった。ハリルホジッチ監督は1日UAE戦の敗戦後、帰国して中2日で試合に臨む、欧州組のコンディションの悪さを嘆いた。しかしタイなど他国も、ほぼ同様のハンディを背負っての試合を強いられる。

 タイはサウジアラビア戦の前半30分、FWティーラシンがペナルティーエリア内でGKに倒され、ファウルをもらった。しかしなぜかエリア外という判定で、PKを獲得できなかった。そして試合終盤、逆に微妙な判定でPKを取られ、決勝点を奪われてしまった。

 誤審に泣いたが、格上とみられたサウジアラビアと、アウェーで互角以上に渡り合った。急激に実力を高めている東南アジアの新興勢力が、苦難を乗り越えて日本相手のアップセットを狙ってくる。【塩畑大輔】