ハリルジャパンに強い逆風が吹き付けた。日本(FIFAランク51位)は今日11日、国際親善試合でオマーン(同129位)と対戦する。10日は会場の茨城・カシマスタジアムで調整したがDF長友佑都(30=インテルミラノ)が体調不良で不在。右足首打撲を抱えるMF香川真司(27=ドルトムント)も別メニューで欠場が濃厚になった。大事なW杯アジア最終予選サウジアラビア戦(15日、埼玉)に向けた調整試合だが、バヒド・ハリルホジッチ監督(64)のもくろみは大幅に狂った。

 12年ぶりに開催される茨城・カシマスタジアムでの国際Aマッチで、ハリルホジッチ監督に逆風が吹いた。冒頭15分だけ公開された公式練習は気温約10度。寒風吹く中、長友が体調不良を訴えて練習を休んだ。右足首打撲を抱える香川も2日連続の別ニュー調整。2人ともオマーン戦の出場は難しい状況だ。

 指揮官は、練習前の公式会見で「(チームに)問題がある。少し体調が悪い選手がいる。そんな感じだ。どれくらいまで良くなるか、様子を見てみたい。突然、寒くなった。アイスバス(練習後の氷風呂)で疲労回復に努めているが、それで寒くなり過ぎてしまうこともある…」と漏らした。

 会見では「あまり、ディテール(詳細)は話したくない」と個人名には言及しなかったが、約30分後の練習に長友がいない。これで「問題」が判明した。初日の練習後、選手をコンディション調整と疲労回復のために義務付けている水温約10度のアイスバスに入れたが、寒さもあり冷え過ぎて不安を抱いた。2日目から中止。3日目から合流の長友は氷風呂には入っていないが、体調を崩した。

 カシマより寒いミラノからやって来た長友は9月開幕の最終予選でアクシデントに見舞われ続けている。6月のキリン杯、女優平愛梨との交際で沸いた“アモーレ・フィーバー”以降、9月の2試合はけがで不参加。10月は脳振とうで途中離脱。そして今回も出場が難しくなった。

 オマーン戦は貴重なテストの場。指揮官は「優先順位はサウジ戦でよりよいプレーができるようにすること」と長友、香川、本田、清武ら所属クラブで出番のない選手の調整試合とするはずだったが、うち2人が欠場濃厚。もくろみは大幅に狂った。考えたくないが万が一、長友以外にも体調不良が広がるようなら…。ハリルホジッチ監督の首筋が一層寒くなる。【八反誠】