日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督(64)が明日15日のW杯最終予選サウジアラビア戦(埼玉)でFW本田圭佑(30=ACミラン)とMF香川真司(27=ドルトムント)の2人を先発から外す可能性が高くなった。13日はさいたま市内で非公開練習。2人を主力組から外した布陣を試したようだ。18年W杯ロシア大会出場を左右する大一番を、日本代表の象徴ともいえる2人を控えに置いて戦うことになりそうだ。

 ハリルホジッチ監督が本田1人ではなく、本田と香川を先発から外す可能性が高くなった。真っ暗になったさいたま市内での練習。大一番のサウジ戦まであと2日。刻一刻と運命の時が迫る中、非公開で行われた戦術メニューで、本田と香川を主力組から外した布陣を試したようだ。

 本田については、調整目的で先発起用した11日のオマーン戦(カシマ)後に「試合のリズムが足りないと確認できた」と話していた。同戦では、右足首の打撲の影響で起用を見送った香川についても、回復具合を慎重に見極める考えを口にしていたが、現時点では万全ではないと判断したようだ。本田の右FWに浅野、香川のトップ下には清武が入る見込みとなった。

 香川については、10月のW杯最終予選イラク戦(埼玉)ですでに先発から外している。だが、本田と香川を2人とも外すとなると、衝撃的だ。日本協会内には、指揮官の手腕を疑問視する声がくすぶり、サウジ戦には去就がかかる。まさに運命の一戦。勝てば首位浮上もあり、敗れると出場圏外の4位に転落するかもしれない“天国か地獄”の局面。2人だけではなく、最前線のFW岡崎、体調次第でDF長友も先発から外れることもある。長く日本代表の象徴でもあった“ビッグ4”がそろってベンチという、事態もある。

 香川はこの日の練習後に取材対応し「ピッチに入ったら、自分のプレーを」と言ったが、歯切れは悪かった。前日12日の練習後に本田は「少なくとも俺はスタメンで出ると自負している」と話していた。このまま当日スタメン落ちを決断するのであれば、指揮官から個別の説明がなされるはずだ。試合まではまだ、時間がある。流動的な面はある。ただ、長く絶対的だった本田と香川の立場が揺らいでいることは間違いない。【八反誠】

 ◆本田と香川の先発落ち ハリルジャパンでは過去3度ある。初陣だった15年3月の国際親善試合チュニジア戦、16年3月のアジア2次予選アフガニスタン戦と同6月のキリン杯ボスニア・ヘルツェゴビナ戦。ただ、テストの意味合いの強い初陣、直前の長距離移動を考慮しての温存、けがによる欠場とそれぞれに明確な理由があった。代表で2人がレギュラーとなったのは本田が岡田体制の10年W杯南アフリカ大会、香川は同大会直後のザッケローニ体制下。それ以降で、けがなどの理由を除き、2人が招集されていながら同時に先発から外れるのは初めてと言っていい。