日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督(64)がいろいろあった16年の年の瀬に熱いメッセージを寄せた。「欧州チャンピオンズリーグ(CL)特別コメンテーター」を務めるスカパー!のスペシャルインタビュー(27日午後10時から放送、スカチャン1)に登場。若手の意識改革と、大けがから復帰したシャルケDF内田篤人(28)に贈った愛ある言葉を、お届けする。【取材・構成=八反誠】

 ハリルホジッチ監督が日本の若手の奮起をうながした。スカパー!のインタビューで、欧州CLでも躍動する若手の名を挙げた。「彼は“フランスの希望”と言われている」と紹介したドルトムントの19歳、フランス人MFデンベレら、香川の同僚を引き合いに出し、こう言った。

 「日本人の若い選手には、彼らのようなメンタリティーを持ってもらいたい。もう少し、自分に自身を持って表現していい。何も怖がる必要はない。負けてしまっても、それは試合に負けるだけ。人生勝つか負けるかだが、死ぬ訳じゃない。試合が怖いと言うなら、生きていれば、人生にはもっともっと恐ろしいことがあると言いたい」

 故郷ボスニア・ヘルツェゴビナでの紛争を経験している同監督の言葉は重い。W杯最終予選でも若い大島(川崎F)久保(ヤングボーイズ)らを思い切って先発で抜てき。ただ、もっともっと若い世代の台頭を願い「死ぬ訳じゃない」とメッセージを送った。

 一方で、誰より肝は据わっているが右膝のけがで長期離脱していた内田には、愛ある言葉を贈った。8日の欧州リーグ・ザルツブルク戦で実に1年9カ月ぶりに公式戦復帰。A代表復帰へ、やっと1歩踏み出した。

 「長い間見ているが、内田は素晴らしい選手だ。現代フットボールに適した選手で、守りが良く、カウンターアタックにも有効。クロスも得意。彼のオフェンス面のプレーは本当に大事。まだ本当に、ちょっと戻っただけ。本格復帰にはあと数カ月かかるだろう。まず自分のレベルを戻さないといけない。これは簡単ではないが、ハイレベルな姿に戻ってA代表で先発を勝ち取ってほしい」

 来年、17年のミッションは最終予選を勝ち抜きW杯ロシア大会に出場すること。失敗は許されない。そのためには「若手」と「内田」-。この2つのピースを加え、確実にチーム力を上積みしたいところだ。

 ▽スカパー! インタビューの模様は27日午後10時からスカチャン1(CS801、プレミアムサービス581)で放送。ハリルホジッチ監督は2月の決勝トーナメント(T)1回戦第1戦のいずれかのカードの現地生中継にゲスト解説として登場予定。また欧州CLの決勝Tに出場する香川、岡崎、清武の日本代表の主力3人の特別番組も、2月4日午後11時からスカサカ!(CS800、プレミアムサービス580)で放送される。