日本代表(FIFAランキング55位)が、W杯(ワールドカップ)ロシア大会の「仮想セネガル」を意識したマリ(同67位)との親善試合は、1-1の引き分けに終わった。

 敗戦濃厚の0-1の後半ロスタイム、初招集のMF中島翔哉の代表初ゴールでかろうじて、引き分けに持ち込んだ。

 試合後、バヒド・ハリルホジッチ監督(65)の表情はさえなかった。「何を言えるかな、という試合。たくさん情報が得られたが、ポジティブなものばかりではない。W杯はまだまだ遠いなという感じです」と言葉をしぼり出した。

 DF宇賀神を初出場初先発させ、FW宇佐美を1年9カ月ぶりに先発に起用した。途中交代ではMF本田とリオ五輪世代のFW中島、MF三竿を投入した。指揮官は試合中、MF山口やDF昌子に「中島がフリーだ」と伝えていたという。中島の同点弾に、ハリルホジッチ監督は「同点に追いついたのはあきらめなかったということ。それが唯一、少し言えるポジティブなこと」とわずかな収穫を口にした。

 本番まで3カ月弱。指揮官は、ロシア大会で戦うセネガルに対し「マリよりかなり強い」と現実を見据えた上で「かなりの選手をテストした。ただ、現実を見なければ。想像以上にやらなければいけないことがある。誰のことも、まだ、判断したくない。チャンスを与えて解決法を探している。本当に、日本人というのはアフリカのチームとやるとデュエルの面で難しさがある。より速く、爆発的にやらないと相手が上回る。まだアフリカのチームと対戦する機会はある。そこでテストしたい」と話した。

 前半30分に左ふくらはぎの異変を訴え途中交代したMF大島に関しては「テクニックの面では日本のベストプレーヤーの1人。ただ、何度も筋肉の問題が起きている。けがまでは素晴らしいプレーでうれしかったのだが…。トレーナーにも大島をしっかりケアしてくれと言っていた。大島の代わりに誰を使うか難しい」と頭を悩ませていた。