ウイルス感染症で今夏、戦線離脱していた日本代表MF遠藤保仁(28=G大阪)が、バーレーン戦で代表復帰即先発することが濃厚になった。敵地で行われたアジア3次予選バーレーン戦(3月26日)は先発漏れしたが、岡田武史監督が遠藤の安定性を再評価。既に先発起用の意志を固めた。

 遠藤を招集する際、指揮官はG大阪側に「別メニューでもいいから連れて行きたい」と懇願した。合宿初日の8月30日には真っ先に遠藤を呼び体調を確認。オーバーエージ(年齢制限外)枠での北京五輪を断念するなど、約1カ月も離脱しても「ヤット(遠藤)は代表の中心」とまで言った。

 バーレーン戦は欧州組4人が加わり、中盤は最強布陣となる。ジーコ体制時は欧州組が加わると行き場をなくした遠藤だが、今は違う。中村俊は「ヤット(遠藤)はオレの動きを分かっている」と話す。この日の練習試合はボランチで出場。ハーフタイムには指揮官と入念にポジショニングを確認した。大学生に敗戦したが遠藤、中村俊、松井と攻撃を組み立てられる選手がそろえば得点力が増す。

 遠藤も最終予選に照準を合わせてきた。「今日の試合は全く良くなかった。向こうで(欧州組)4人と話して、いい状態で試合を迎えたい」。期待を背負い、遠藤が代表の中心として決戦へ向かう。【益子浩一】