宮沢に岡田監督から愛のムチ!

 U-20日本代表候補合宿2日目は21日、静岡県内で行われ、コンサドーレ札幌のFW宮沢裕樹(19)に日本代表岡田武史監督(52)から猛ゲキが飛んだ。午前練習中に「シュートを打てるときは打てよ!」と激しい口調で岡田イズムを注入された。宮沢は午後の流通経大との練習試合に途中出場し30分間プレー。得点はならなかったものの、持ち味の視野の広さと展開力を披露した。

 宮沢に代表監督から熱いメッセージが飛んだ。4人でのシュート練習中、宮沢はゴール前のスペースに走り込み左サイドからパスを受ける。右サイドへの横パスを選択した直後、岡田監督が突如叫んだ。「シュート打てるときは打てよ!」。前にDFがチェックにきていたため、右への展開を試みた“安全策”を猛然と非難した。

 厳しい指摘はそれだけにとどまらない。左サイドからクロスを上げ、ミスキックに終わると「もっと速いボールを入れろ!」と即座に声が飛んだ。1つのミスも許さない厳しさで指導された。今季、リーグ戦で得点はゼロ。FWとしてのどん欲な姿勢が足りないことを見透かされたようなゲキに、モチベーションも上がった。

 「打てるときに打つ意識を高めたい。パスを出した後、出しっぱなしにならないでどんどんゴールへ向かうプレーを心がけたい」。午後に行われた流通経大との練習試合では後半15分から途中出場。同19分には下がりながらワンタッチで右に展開した。同22分には東京MF大竹からの縦パスを受け左に展開するなど、ポストプレーヤーとしての視野の広さとパス精度の高さをアピールした。

 だが終わってみれば、シュート1本とまたしてもゴールへの意識の低さを露呈していた。宮沢は「ボールは収まったけど、そこから前に出る動きがどうしても少ない」と首をかしげた。日本協会の原強化担当技術委員長は「俊輔にしても憲剛にしても足りないところを頭を使ってクリアしていたからこそ成長してきた」と宮沢の変身を期待している。A代表スタッフの前で「宮沢」のポテンシャルの高さを見せることはできた。札幌の11番が日本のストライカーとして大化けするには、欲張り過ぎるほどの強引さが求められている。【永野高輔】