ザックジャパンの南米選手権(7月1日開幕、アルゼンチン)への出場に暗雲が漂ってきた。南米連盟が、日本代表の同選手権への海外組招集について欧州各クラブとの交渉に積極的に関与する方針ではないことが判明。4月29日、南米連盟の広報担当者が明言した。

 同選手権に招待参加の日本には、海外組招集の拘束力はないが、日本協会の小倉会長は当初、南米連盟が欧州各クラブに対し「説得交渉」を行うとしていた。だが、29日に小倉会長が南米連盟のレオス会長らと会談した後、同連盟広報担当者は南米連盟が「説得交渉」を行うかどうかが決まっていない現状を明言した。「この件は、今後数日間で話し合うが、日本側は欧州のクラブを説得できる確信があるようだ」と交渉責任の日本への「丸投げ」を示唆した。

 日本協会は海外組20人のうち15人以上の招集を南米選手権の出場条件としている。欧州各クラブとの交渉に対し、南米連盟のバックアップの有無が大きな問題となってくる可能性がある。

 現地には国際連盟のブラッター会長や欧州連盟のプラティニ会長も滞在中。国際連盟の重鎮でもあるアルゼンチン協会のグロンドーナ会長は南米連盟の公式ホームページ上で日本の海外組招集について「国際連盟や欧州連盟に協力を求めており、前向きな状況だ」とコメントしている。小倉会長や原強化担当技術委員長が現地に5月1日まで滞在するが、国際連盟や欧州連盟、そして南米連盟の協力をいかに取り付けられるかが南米選手権出場の鍵を握ることになりそうだ。