U-22(22歳以下)日本代表が異例の「2段階暑熱対策合宿」を行うことが13日、分かった。来年2月にロンドン五輪アジア最終予選のアウェーでの連戦(5日シリア戦、22日マレーシア戦)では、暑さの中での戦いが待つ。事前に温暖な地で2度の合宿を行い、試合に備える。1月15日からはグアム遠征が濃厚で、1度帰国した後に中東へ早めに入り、対策をとる。同代表はこの日、東京合宿(17~19日)の候補メンバー24人を発表。鹿島MF柴崎岳(19)らが初選出された。

 5大会連続の五輪出場に向け、カギを握る敵地での戦いに、万全の準備態勢が敷かれることになった。まずは来年1月15日から1週間の予定で冬の日本を離れ、温暖な地へ向かう。Jクラブなどもオフの合宿を行うグアムが濃厚で、みっちりと体を動かす。その後は一時帰国。来季からJクラブに新入団する選手もいるため、2日間で新体制発表などに参加。そして24日の夜の航空便で中東に旅立つ。候補地はUAE、カタールなどで、翌月5日の五輪予選アウェーのシリア戦前に、2回の合宿を組む。

 何より対策が必要なのが暑さだ。クウェートとホームアンドアウェーで競った6月の2次予選では、敵地での第2戦で1-2の逆転負け。第1戦のホームの貯金で勝ち上がったが、気温40度以上の気候に選手は大苦戦。「汗が出ない。全然動けなかった」と体温調整に苦しむ選手が多発した。

 そのため、暖かい土地で汗腺を開くことが2度の合宿の目的になる。冬の日本からいきなり高温な場所へ移動した場合、汗腺が開かず体の新陳代謝がスムーズに行われず、クウェート戦の二の舞いを踏みかねない。1度開くと1カ月以上は効果があるとされるため、シリア戦だけでなく、2月の平均気温が27度近くになるマレーシアでの試合にも効果が見込める。

 中東での事前合宿では、2度の練習試合も組まれる予定。欧州クラブの中には、同期間にカタールでキャンプを行うチームもあるため、充実した予行演習を行える可能性も高い。9月の予選初戦マレーシア戦に2-0と順調なスタートを切った関塚ジャパン。万全の暑熱対策で、ロンドンへの道をより視界良好にする。