5大会連続W杯出場に王手をかけている日本が、来年3月26日のW杯最終予選ヨルダン戦(アンマン)の前に、中東で強化試合を計画していることが7日、分かった。同22日にカタール・ドーハで同国代表との強化試合実施に向け、現在調整中。交渉がまとまらなかった場合、イランやレバノンと交渉する方針だ。ヨルダン戦の前に、国際Aマッチを組むことで、欧州組の早期招集が可能となる。敵地に乗り込む直前に、中東で暑さや時差対策を終え、万全な状態に仕上げる。

 日本代表がヨルダンとの本番前に、中東でリハーサルする。敵地・アンマンに乗り込む前に、ドーハでの合宿を計画しており、現在、カタール代表との強化試合交渉は最終段階に入った。決裂した場合、イラン、レバノンも視野に入れ、試合を組む予定だ。

 日本協会関係者は「監督の意向で、ヨルダン戦の前に1試合組むことになった。ドーハはアジア杯で優勝しているし、施設も整っているから監督のお気に入りの場所」と話した。オマーン戦(11月14日)後、日本協会がザッケローニ監督と協議し、ドーハを第1候補に、中東での強化試合を予定に組み込んだ。近日中にも契約をまとめ、正式発表する。

 狙いは、欧州組の調整と実戦での戦術理解度の確認になる。オマーン戦は、MF本田圭佑ら欧州組が直前に合流しており、暑さ対策などのコンディション調整に苦労し、苦戦を強いられた。

 そこで、ヨルダン戦で同じ失敗を繰り返さないために、3月22日の国際Aマッチデーに試合を組むことになった。これにより、欧州組を本番1週間前に招集できるようになり、現段階では、同18日の合宿スタートを予定している。

 就任2年半のザッケローニ監督は、昨年11月タジキスタン戦の直前と、今年オマーン戦の前にもドーハで合宿をしているが、強化試合を組むのは初めて。W杯予選など公式戦の前に、中東でAマッチを実施するのは極めて異例。日本協会関係者は「欧州組が増えたので、移動などを考えて、これからそういう機会は増えるかもしれない」と話した。

 ヨルダンに勝てば、5大会連続でのW杯出場が決まる。アジアを圧倒して世界へ-。ザックジャパンが、中東の地で最後の仕上げに取りかかる。

 ◆ザックとドーハ

 昨年1月、アジア杯に出場。MF香川、DF槙野らを負傷で欠きながら、日替わりヒーローの出現などで、アジア王者に返り咲いた。同年11月には3次予選のタジキスタン戦前に4日間の合宿を組み、3日目に欧州組が全員合流し、戦術確認後、アウェーの地に出発した。今年11月には主に国内組中心に、オマーン戦2日前までの4日間、同地で調整した。