日本サッカー協会は29日、9月の親善試合(6日グアテマラ戦=長居、10日ガーナ戦=日産)の日本代表23人を発表した。FW柿谷曜一朗(23=C大阪)は激戦区のFWで数あるライバルを押しのけ、代表に生き残った。今回は常連組と、より意思疎通を図るため“しゃべくり合宿”にすることを宣言。仲間と理解を深め、日の丸で初めて乗り込む本拠長居でのグアテマラ戦では代表4点目を狙う。合宿は同2日から大阪府内でスタート予定。

 FW柿谷が再び代表に生き残った。ハーフナー、前田、乾ら常連組を押しのけて招集。さらに来年6月のW杯ブラジル大会への切符をつかむため、23歳がテーマに掲げたのは“しゃべくり”だった。

 「全員のことを知ることが大事。知ってもらうこともそうだし、僕が知ることも両方ですね。コミュニケーションは基本だし、(一緒に過ごす)時間も長くなる。お互い分かり合えればと思う」

 しゃべくりとは、切れ目なく話す芸のようなもので大阪人の代名詞。生まれも育ちも大阪市の柿谷は、今回の合宿スタートとなる地元大阪で代表勢を招き入れ、仲間の考えや特徴をより理解したいという。

 前回14日のウルグアイ戦では、わずか2日の練習で試合という強行日程。本田ら初対面の選手もおり、全員と会話は交わしたものの、常連組と連係面で深い話をし、積極的に意思疎通を図ることまではできなかった。試合では前線で孤立したり、欲しいタイミングでパスを受けることができない時間帯もあった。

 だが、今回は計9日間と合宿期間も長く、2試合ある。初対面の選手もほとんどいない。ピッチ内外で関西弁を駆使し、時にオチと笑いのある会話を交えて?

 互いの距離を縮めれば、1トップの位置を不動にできるかもしれない。

 欧州各国リーグが開幕し、海外組も含めたベストメンバーが集まる。代表定着への道を確実に歩む柿谷は「今回選ばれたことはめちゃくちゃうれしい。選ばれ続けることが大事。このパフォーマンスを維持していきたい」と喜んだ。

 C大阪で長居を本拠地にする柿谷にとっては、今回は特別な試合。「最高ですね。元C大阪の選手(香川、清武)もいるけど、今C大阪でやっている僕らが活躍することが、サポーターにとってもうれしいと思う」。Jリーグで23試合14得点(ランク6位)と絶好調が続く男は、地元での代表弾を決める。【福岡吉央】