<国際親善試合:日本0-4ブラジル>◇14日◇シンガポール国立競技場

 日本(FIFAランク47位)は、ブラジル代表(同6位)に惨敗を喫した。ハビエル・アギーレ監督(55)は、ジャマイカ戦から6人を先発メンバーから入れ替えたが何も出来ず、ブラジルFWネイマール(22)に4ゴールを許した。

 見慣れない光景だ。FW本田圭佑(28)が登場したのは、後半開始から。遅れて加わったエースに、鋭さはなかった。試合後、スーツに着替えた本田は、現実を受け止めるのに時間がかかった。数秒、考え込みながら言葉を絞り出した。

 「初めてブラジルとやった選手とは比べものにならないくらい悔しいですし、これが現実です。結果も大差。毎回、しっかり負けている。上には上がいる。それを知るたびに、自分はもっと上に行きたくなる」

 10年W杯からの5年間で、故障以外で先発漏れしたのは2回だけ。今回が3度目だ。見せ場は後半23分に左サイドを武藤が切り裂き、本田が中央に入った場面くらい。最後まで大観衆を沸かせることはなかった。

 相手は世界の指標の1つとしてきた王国だ。惨敗した今年のW杯から再起するために、最も楽しみにしていた一戦だった。12年10月に0-4で大敗、昨年6月の対戦も0-3。三度目の正直までも、幻になった。

 「選手を固定する気配はないんでね。でも、監督はビジョンを持って進めている。後半から入って、結果を出したい気持ちはありました。チャンスは与えられたが、結果が出なかった」

 悔しかった。だが不完全燃焼に終わっても、不満は胸の奥にしまい込んだ。

 「これから超えたい。また何か(でかいことを)言っているな、くらいに思ってもらえればいい」

 屈辱を糧にする-。本田は今までもそうやって、生きてきた。【益子浩一】