日本を世界のトップ15に導く-。日本代表のハビエル・アギーレ監督(56)が新たな目標を掲げた。10日、東京・JFAハウスで行われた年間スケジュール発表会見に出席。15年の目標にアジア杯オーストラリア大会(来年1月9日開幕)での連覇達成を強調した上で、在任中のターゲットとして国際サッカー連盟(FIFA)ランキング15位以内(現在53位)に導くと断言。世界で戦うための安定した実力をつけさせ、「世界の強豪」の地位を築く。

 強いまなざしで、アギーレ監督は断言した。「15年はW杯予選が始まるが、目標は日本を世界のトップ15に導くこと。日本は魂をピッチに残す気持ちで戦う。日本代表に誇りを感じることができる」。世界の強豪と肩を並べる存在に育てるという決意表明だった。

 世界15位へのスタートがアジア杯になる。「タイトルを取ればチームに新しい自信が加わり、リフレッシュした気持ちで15年に入っていける」。その後は、6月に始まるW杯アジア1次予選に向け、3月27日にチュニジアと親善試合を実施するなど準備を進める。

 W杯1次予選の組み合わせ抽選会は4月の予定だ。第1ポット(第1シード)に入ることが濃厚。6月の国際Aマッチデー期間(6月8~16日)の初戦に親善試合を行い、2戦目でW杯1次予選初戦に臨む。16年3月に1次予選が終わるという日程で、日本サッカーの命運を握る戦いに挑む。

 15年からは国際Aマッチデーの試合数が減少した。W杯ブラジル大会後に、2試合を行える国際Aマッチデー期間の規約が変更。日本がアジアで1試合をこなした後に欧州に移動するなどの大陸またぎや、5時間を超える移動を伴う連戦が不可能になった。柔軟なマッチメークができなくなり、極東に位置する日本は厳しい状況を強いられる。

 日本協会は2005年宣言の中で「2015年にFIFAランク10位」という目標を立てた。現在、日本は53位のため、来年内の達成は極めて困難な状況だが、アギーレ監督は言う。「日本の良いベースを継続しつつ、勝つことが必要」。熟成、勝利、そして世界の強豪への成長-。イメージは既にできている。

 就任後、初の公式戦となるアジア杯が重要な1歩となる。「前回のアジア杯、W杯予選、W杯で活躍した選手もメンバーに入る。アジア杯ではチームが成長、進化できる」。百戦錬磨の手腕を見せつける。【菅家大輔】

 ◆日本のFIFAランキング

 最高位は98年2月の9位。初出場となったW杯フランス大会終了後の同7月に22位に下がり、00年2月には史上ワーストの62位へ陥落したが、ジーコ監督時代の05年7月に13位まで再浮上した。決勝トーナメント進出を果たしたW杯南アフリカ大会後の10年7月には1カ月前よりランクが13位アップの32位に。11年1月には13位となったが、「15位以内」は11年9月(15位)以来遠ざかっている。日本が1カ月で最も順位を上げたのは93年8月の23位アップ、最も下げたのは06年7月の31位ダウン。