<国際親善試合:U-21日本3-0バングラデシュ>◇18日◇ダッカ・バンガバンドゥ国立競技場

 遠征中のU-21(21歳以下)日本代表がバングラデシュA代表(FIFAランキング165位)と対戦し、勝った。U-19代表から初招集され、手倉森ジャパン初先発のFW南野拓実(19=C大阪)が1得点1アシストと活躍。FW浅野拓磨(20=広島)も2得点1アシストした。来年3月のリオデジャネイロ五輪アジア1次予選(マレーシア)に向けて劣悪な環境を経験。一行は明日20日にバンコク経由で帰国する。

 U-19代表からの飛び級が解禁された南野が、手倉森ジャパン1号で融合をアピールした。1-0の後半27分、ゴール前で浅野が左から落とした球に反応。DFとGKの間に入り込み、右足でゴール右隅を射抜いた。「初ゴールは素直にうれしいし、14年最後の試合を勝って締めくくれて良かった」と控えめに喜んだ。

 芝より土と雑草の方が目立つほど荒れ、試合中にアザーン(イスラム教の礼拝の呼び掛け)が大音量で響き、相手国民が大絶叫した前半は0-0だった。自身も「ミャンマー(10月のU-19アジア選手権)よりガタガタで最悪」というピッチで慎重になりすぎたが、後半は修正。30分には浅野の2点目をアシストした。

 充実のU-21初参加となった。初めて会った選手もいたが、最高気温37度のタイで練習したり、バンコク最古の寺院ワット・ポーを訪れて融合した。ダッカでは劣悪な環境に身を置き「敵地でアジアの厳しさを経験できた」と糧になった。

 極秘渡欧してオーストリア1部ザルツブルクなどを訪れたため3日遅れの合流となったが、手倉森監督を「今日、一気にU-21へ割って入ってきた」と納得させた。次は五輪予選。欠かせない存在に急浮上した。【木下淳】