アジア杯オーストラリア大会の日本代表MF香川真司(25=ドルトムント)とDF内田篤人(26=シャルケ)が、アギーレ監督の八百長疑惑に関してノーコメントを貫いた。年内のドイツ1部リーグ戦を終え、22日朝に東京・羽田空港着の航空機で帰国。八百長に関与した疑いでスペイン検察当局から告発された指揮官の話題で国内が揺れていることを想定してか、決め込んだように無言だった。

 ファンのサインには応じたものの、反応を求める報道陣には対応なし。香川はエレベーターを待つため、立ち止まった際に「アギーレ監督の…」と質問を投げかけられたが、迎えに来ていた関係者が「ちょっと、すいません」とすぐに遮った。

 前日帰国したFW岡崎は「監督を信じてプレーに集中する」と話したが、2人は貝になった。香川には自身の苦境も重なっている。20日ブレーメン戦の後半開始から、4試合ぶりに出場したが、2度の決定機を生かせず1-2で敗戦。自動降格圏の17位で前半戦を折り返し、試合後は取材エリアすら通らなかった。内田も11月の初招集で地位を確立したもののアギーレ体制では日が浅く、ピッチ外の話題は避けたかったようだ。

 わずかな休養を挟んで29日から大会前の国内合宿(千葉県内)に入る。この日は元日本代表FW大迫勇也(24=ケルン)も帰国した。

 ◆八百長疑惑

 10-11年シーズンの11年5月21日、スペインリーグ戦最終節。負ければ2部降格だったサラゴサは、敵地ですでに残留を決めていたレバンテに2-1で勝ち、1部残留を決めた。当時サラゴサのイグレシアス会長が、アギーレ監督や選手の口座にボーナス名義で、計96万5000ユーロ(約1億4500万円)を入金。それがレバンテの選手らに買収資金として渡った疑いがある。今月15日にスペイン検察当局がバレンシア裁判所に告発。アギーレ監督やイグレシアス会長など41人が疑いをかけられている。