右太もも筋膜炎で離脱していた浦和FW田中達也(25)が、8日アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)準決勝第1戦のG大阪戦(万博)に緊急帯同することが6日、決まった。この日午前の練習で、ミニゲーム形式のメニューにフル参加。1対1、2対3の対人プレーでも、高原らと軽快な動きを披露。「だいぶ動けた。怖さはない。(出番が)1%はあるかもしれない」との遠征帯同アピールが実った。

 9月6日のW杯最終予選バーレーン戦で同部を痛め、帰国後に全治2~3週間となる筋膜炎が判明した。先月28日にスパイクを履いてボールを使った練習を再開。5日から対人プレーを始めたばかりだが「1日でも早くプレーできるように」と8日のACL準決勝第1戦に照準を合わせてきた。当初は再発を恐れて起用に慎重だったエンゲルス監督も「今日の動きが良かった。達也と2度話したが、大丈夫だと言っていたから」と、田中達の意欲に心を動かされた。

 浦和にとって大きなカンフル剤だ。5日千葉戦に2-3で惜敗し、主力組は疲労蓄積や故障で満身創痍(そうい)。中村強化本部長は「達也は明るい。いるだけでムードが変わるから」と期待。指揮官は「(達也が)ベンチにいれば、当然、G大阪も嫌なのは確か」とスーパーサブで準備させる。周囲の大きな期待を受けた田中達は「90分の体力はまだまだ。でも20分とか短い時間ならできる」と意欲満々。アジア連覇に向けて頼もしい切り札がカムバックする。【藤中栄二】