G大阪MF佐々木勇人(26)が、「右サイドの仕事人」としてアジア王座への切り札になる。11月5日のACL決勝第1戦アデレード戦(万博)に向けて30日、紅白戦を行い、右からの突破で1得点を決めた。最近の公式戦4試合連続で途中出場し、決勝でもスーパーサブ起用は確実。ドリブルとクロスで攻撃を活性化する。

 今季J2山形から移籍した。「去年の今ごろはACLの決勝に出るなんて想像もできなかった」。昨年11月の天皇杯4回戦G大阪戦で西野監督に見そめられ、移籍が実現。山形時代は練習着を自分で洗い、筋トレ施設が練習場にないため、県営の体育館まで自転車で通っていた。G大阪では洗濯は職員任せで、筋トレ室も練習場に完備されている。「本当に恵まれている」と言う。

 ACL準決勝浦和戦では、2試合とも右サイドで途中出場し、流れを変えた。第2戦はおびえた浦和が布陣を変えて日本代表MF阿部をマークにつかせたほどだ。西野監督は「自分の得意のエリアを持っている」と評価。G大阪の切り札は今季ACL5得点のFW山崎が有名だが、第2の男・佐々木もいる。アデレードの守備網を切り裂き、優勝カップを掲げる。【北村泰彦】